IC21のブログ

2016/01/22

「室内空間と照明 ~賃貸住宅での照明の上手な使い方~」 ①

こんにちは。IC21です。

厳しい冷え込みが続いていますね。インフルエンザも流行りはじめました。

皆さま暖かくしてお過ごしくださいね!

今日からまた新しいテーマで連載をスタートいたします。

 

1. 照明の基本をおさえよう
◆照明を自然光(太陽)に置き換えてみる

屋外では、昼は空高い天空が明るく、夕暮れ時は少し低い位置に明るさがきます。このような自然の法則に合わせて人は、明るいと活動的になり、やや暗い低めの位置にある“あかり”にリラックスします。

私たちが寝食などの生活を営む空間では、このような自然の法則どおりの“あかり”を照明で再現することによって、体のリズムに合わせて快適に過ごせるのです。

 

2. 賃貸住宅と所有住宅で異なる照明の考え方
◆明るいだけの賃貸住宅

所有住宅(特に注文住宅)の場合は、照明効果を考えて設計されることが多いですが、賃貸住宅に関しては、明るさの確保のみを目的として、照明計画をなされていないのが現状ではないでしょうか。
ほとんどの賃貸住宅には、居室の天井中央部に引掛けシーリングと呼ばれる電灯専用のコンセントがついており、入居者が好みの照明器具を買って取り付けます。
一方、所有住宅では建築化照明といわれる、光源を天井や壁などに組み込み、建築構造と一体化させた照明方式がとられるケースも少なくありません。

さらに、デザイン性の高い壁付けの照明器具や吹き抜け部分のシャンデリア、作業の可能性がある場所には部分照明、寝室では横になった時に光源が目に入らない工夫など、空間のバランスや暮らし方に合わせた照明計画がなされることも多いでしょう。
このような所有住宅で採り入れられている照明方法を賃貸住宅にも導入し、お洒落な照明で物件の魅力をUPさせるというのも、他の物件との差別化をするにあたっての大きなポイントとなるのです。
部屋の使い方が明確ではない賃貸住宅だからこそ、しゃれたデザイン感覚で入居者の気をひいてもよいのではないでしょうか。

 

3. 建築化照明を知るとこんなに違う
◆建築化照明って?

建築化照明の基本は間接照明で、間接照明とは光源から出た光を直接空間に照射しないで、まず壁・天井などに反射させて、室内の明るさをとる方法です。

その反射光がまわりを照らすので、全体的に柔らかな印象を与えることができ、目にもやさしくリラックス効果があるといわれています。

また、照明を部分的に照らすことで明るさの濃淡をつくり、全体に立体感を生み出す効果もあります。ひとつの照明で部屋全体を一度に照らす直接照明とは違い、さまざまな空間演出ができる照明方式です。
照明計画とは、光源からの光をどこにどのように当てるかが大きなポイントになります。全ての床・壁・天井が明るいと逆に、くたびれてしまう空間になってしまいます。

照明デザインは、暗さをどのようにデザインするかが基本だと言われますが、闇が無ければ光が活きてこないということですね。

 

4. 建築化照明が難しいという場合はコレ!
◆建築化照明が無理でもこんな手もある!

前述した建築化照明による間接照明方法は、施工が難しいため工事費がかさむという難点があります。

例えば、天井に取り付けたスポット照明や壁付けのブラケットにより壁を照らす方法だと、費用が照明器具代だけで済むので、気軽にリフォームなどに利用できます。

ライティングレールを店舗のように天井に這わせ、スポットライトを入居者が自由に配置できるなど、遊びの部分があっても楽しいでしょう。

また、天井高が高い居室ではアッパーライトを使用することにより、建築化照明と似通った効果をもたらせることも可能です。