IC21のブログ

2018/08/23

すぐ使える!賃貸だからできるミセ方、ツクリ方「ありのままがカッコイイ」 前編

今週からは「すぐ使える!賃貸だからできるミセ方、ツクリ方」をテーマに全12回でお届け致します。

第一回 ありのままがカッコイイ

 

新築賃貸物件でもなかなか借り手がつかない今、築年数のたった物件ともなればますます悩みは深刻。どうしたら勝ち組になれる魅せ物件が作れるのでしょうか。第一回目はなるべくコストをかけずにありのままでミセる!ツクる!方法を考えていきましょう。

ありのまま戦略その1  おしゃれで低コストのヒントは店舗にあり!

私たちが店舗の改装をする際に求められるのは第一に「見た目のおしゃれさ」。それをいかに短時間で安く仕上げるかが勝負です。そのために「既存のものを利用する」「できるだけそのままを使う」ということをすることが多いのです。

あれ?ちょっと待って。早く安くできておしゃれって、賃貸住宅だって願ったりかなったりの条件。おしゃれなカフェやこじゃれたラーメン屋に行ったときにはキョロキョロっと眺めてみてください。入った瞬間の印象はとても良くても意外と細かい仕上げはいい加減なはず。それでもちっとも気にならないのは、私たちがその空間でおいしいものを食べたり、気分よく過ごす時間を求めているから。賃貸を借りる人の場合も同じです。自分の財産である所有物としての分譲住宅と違い、賃貸を借りるということは「空間を借りる」ということ。居心地良く気分よく過ごすには細かな仕上げや完成度ではなく、いかに素敵かが重要。限りなく店舗にチカいのです。

例えば店舗でよくあるのが天井の仕上げを取り払った配管むき出しの仕上げ(写真1−1)。

むき出し配管

写真1-1

 

真っ白に塗ってしまえば案外目立たないものですし、逆に配管をアクセントカラーで仕上げればおしゃれで個性的な空間になりますし、なによりも天井が高くなることで広く感じられます。これを賃貸で使わない手はありません。配管だけでなく、配線だっておしゃれさが勝れば気にならないものなのです(写真1−2)。

天井の躯体、配管、配線がむき出し

写真1-2

 

ありのまま戦略その2  使えるものは使いましょう

和室はNO!のイメージが強い賃貸業界ですが、和室もおしゃれならばOKです。真壁の和室の襖を無理やり扉にかえたり欄間を取り払ったりしては費用もかさむばかり。発想の転換でおしゃれ和室にするだけで人気賃貸となります。

和室をこわす大工工事を入れなければコストは大幅に削減できます。その分を塗装やワンポイントの壁紙などでミセるコストに使いましょう。そこでの決め手は色と柄の組み合わせ。真っ白ではつまらないのでポイントカラーや柄で遊んでみましょう。できるだけインパクトの強いものがおすすめ。とはいえ根拠のないやりすぎはNG。「写真2−2」は床の間のクロス(紫)とモダンな襖紙の組み合わせ。

和室before

写真2-1和室before

和室after

写真2-2和室after

プロであれば大胆でも心地よい組み合わせをアドバイスできます。

 

  また、構造材をそのままミセることで仕上げコストを省き、逆におしゃれに見せることも可能。(写真3)OSBは傷も目立ちにくく丈夫な素材でもあるので賃貸向きです。「知っていれば使えるもの」もプロに聞けばまだまだたくさんあります。

OSBをそのまま使用

写真3