冬至の夜は、七つの ん で運を結ぶ
冬至の七種と「ん」のちから
一年で最も昼が短く、夜が長くなる日——それが冬至。
太陽の力が最も弱まるこの日を、昔の人々は「再生のとき」と捉え、
そこからまた光が戻ってくることに希望を重ねていました。
そんな冬至に食べると縁起が良いとされたのが、「ん」が2つ付く食べ物です。
これは「運」が重なる=運盛り(うんもり)と呼ばれ、 無病息災や運気上昇を願う、言霊と食の知恵が結びついた風習です。
冬至の七種(んが2つ付く食べ物)
- なんきん(南瓜)
- にんじん(人参)
- れんこん(蓮根)
- ぎんなん(銀杏)
- きんかん(金柑)
- かんてん(寒天)
- はんぺん(半片)
これらは、寒さに負けない栄養を持ち、保存もきく冬の恵みですね。
「ん」の音に運を託し、食卓に願いを込める—— そんな言葉と暮らしが寄り添っていた時代の感性が、今も息づいています。
はんぺんの日の由来
この「冬至の七種」のひとつ、はんぺんにも特別な物語があります。
東京都蒲鉾水産加工業協同組合が、 「ん」が2つ入った縁起の良い食べ物として、 12月22日=冬至の日を「はんぺんの日」として制定しました。
ふわふわとした白い姿は、まるで冬の雲のようです。
そのやさしい食感と温かさは、寒い季節の心のごちそうです。
「はんぺんを食べて、運気を盛って、健やかに冬を越してほしい」 そんな願いが込められています。
おでん鍋の湯気が立ちのぼる食卓に、 木の温もりを感じる器や、柚子の香りを添えたランナーをしつらえ、
冬至の夜を、五感で味わう空間づくりもまた、 暮らしの中の小さな贅沢かもしれません。
言葉に宿る願い、食に込める祈り。
昔の人の感性は、自然とともに生きる知恵と、 日々を大切にする心の豊かさに満ちています。
今年の冬至は、食と空間を通して「運」を迎えるしつらえを楽しんでみませんか?
あなたの暮らしに、やさしい光が差し込みますように。
暖かくしてお過ごしください!

