IC21のブログ

2018/03/30

読めばわかる!デザインリフォームの見せテクとプロの常識「LD・寝室編」②

LDではTVの位置決めが大事

では次に、部屋の間取りを考える時に必要なノウハウについて探っていきたいと思います。

LDの中で、最も考慮するべきことの一つは、予めTVの位置を想定しておくことです。

ブラウン管の時代と違って、今は大型TVを置くケースがほとんどですので、TVはリビングの中で大きな面積を占めます。なるべく直射日光の当たらない位置が理想的なので、必然的に壁の前に置く形になりますが、TVは、32インチでも幅74㎝くらいはありますから、これより広い壁を確保する必要があります。

また、TVの対面にソファを置くことを想定することも大事です。TVの視聴距離は、通常、24~26インチなら約90㎝、32インチなら約110㎝と言われています。TVボードの奥行を50㎝、ソファの奥行を90㎝とした場合、最低でも2m30㎝程度、LDの幅が必要となる計算です。これらを考慮しながら部屋の間取りを考えて行くことは、使い勝手を決める上で大変重要な要素の一つと言ってよいでしょう。

 

寝室~寝室と決めて造り込むのがGOOD~

LDK以外に部屋がある場合、リフォームする際に一つの部屋は主寝室と決めてつくり込むことをお勧めします。和室があれば、押入れに布団をしまうことができますが、洋室の場合、ベッドの大きさを考慮して部屋を造る必要があります。入居者がいざベッドを置こうとすると、ベッドが入らないということが少なくありません。一般的なシングルベッドの大きさは、およそ1m×2mなので、縦の長さにプラス40㎝の動線スペースを確保すると、240㎝のスペースが必要です。カップルが住む場合なら、ダブルベッドの幅(約140㎝)も考慮しなくてはなりません。更にそれぞれが双方からベッドに入ることを考えると、ベッドの両脇に50㎝程のスペースも必要になります。これらを踏まえた上で寝室をつくると、使い勝手の良い部屋になり、入居候補者に対して説得力ある説明ができるはずです。

 

また、寝室には通常クローゼットをつくりますが、今回は、他の物件と差別化の図れる例をご紹介しましょう。写真3は、奥行きの深いクローゼットをつくった例です。和室の押し入れと同じ奥行寸法(奥行:90cm)でクローゼットを造り、布団を収納できるようにしています。奥には棚板を設け、手前には、ハンガーパイプを取り付け、下に布団等を収納できるようになっています。ベッドを置かない場合はもちろん、ベッドを置く場合でも、季節の掛け布団を収納できるスペースは必要です。しかし、和室の押し入れが減少する中で、60㎝の奥行のクローゼットしかない洋室のみの物件が多く、布団を収納できるスペースがないことに不便を感じる入居者が多いのは事実です。この例のような奥行の深い収納は、入居者にとって大変魅力ある物件と言ってよいでしょう。

奥行の深さが魅力なクローゼット

写真3:奥行の深さが魅力なクローゼット

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように、リフォームをする際、入居者の目線で使い勝手を考えると、より魅力ある物件になります。単にキレイにするリフォームではなく、今の部屋の課題は何かを見極めた上で、それを解決するためのリフォームをすることが大事です。ぜひ、今ある資産を最大限に活用して、幸せなマッチングに繋げていただけたらと願っています。

 

著者:IC21メンバー 今銅久美子