決め手のキッチン キッチンとの相性は?
賃貸住宅のキッチン・リフォームやデザインを改めて見つめ直す連載の2回目。
前回はキッチン“空間”の分類について解説しましたが、キッチンには他に、
スタイル別(壁付I型と、対面タイプのペニンシュラ型、アイランド型、L型)や、
構造別(システムキッチン、テーブルコンロタイプ、ミニキッチン、フレームキッチン)など、様々な種類があります。
壁付I型は、
シンク・作業台・コンロが直線状に並び、配管類を壁や床下に隠蔽しやすいため、コンパクトな部屋でもすっきりと見えますね。
反面、キッチンの扉の色柄が部屋のインテリアに影響を与えたり、部屋の形によっては家具の配置しにくいこともあります。
対面キッチンは、
ダイニングとの距離感や調理する人の向きから言っても、コミュニケーションが取りやすく、配膳作業も楽です。
対面キッチンでよくある、片方が壁についているペニンシュラ(半島)型の中にも、コンロ前の壁やカウンターの有無、上部に吊戸のあるセミオープンタイプなど様々なスタイルがあり、その分オリジナルなデザインを造れるともいえますね。
ただし、キッチンに立つ人の可動スペースや冷蔵庫置場などを当初から設定するので、広めのLDKでないと見た目も機能性も落ちてしまいます。
アイランド型やL型は、間取りが特徴的だったり高級物件に採用されますが、収納・配管・可動スペースに広さや工夫が必要です。
さらに、機器類から収納まで組み込まれ一枚の天板で繋がっているシステムキッチン、ガスコンロを入居者が設置するテーブルコンロタイプのようなセパレートキッチン、最近ヴィンテージ風・カフェ風インテリアと共に人気のフレームキッチン、幅や奥行までさらに小さくオフィスや単身者向け住宅用のミニキッチンなどがあります。
清掃性はもちろん、サイズも豊富でパッケージ化により選びやすいことから、賃貸住宅の主流はシステムキッチンでしょう。
これらの分類を知って何になるか?と言うと、
それぞれのキッチンの特徴を知り、ターゲット×間取りに合わせてマッチングさせれば、
①広さや暮らし方に見合う使いやすさ
②無理のない工事でコストダウン
③インテリア性もアップ
といった好物件になるからです。
次回からは、間取りや人数に合う適度なサイズ感、ターゲットに魅力的なスタイルやデザインなど、具体的な事例を紹介していきます。