IC21のブログ

2020/03/30

テナントリテンションの発想を!~長く住んでもらうための工夫 「DINKSからファミリー」~後篇

お気に入りポイント②壁に貼れる!描ける!
前編では部屋に住み続けてもらう「お気に入りポイント」として防音素材の活用についてお伝えしました。

今回は壁の活用。お子さんが成長して、幼稚園・保育園などに入るころになると、お知らせプリントが多くなり、家族のスケジュール管理もピークとなってきます。
そんな時、賃貸ですとプリントをピンナップしたいのに壁をキズつけられずに困ることが多いもの。心置きなくプリント類を貼れる壁があればママもおお助かりです。目の高さの壁の1面をマグネットがつく壁にすれば壁をキズつけずにお知らせを貼れます。(事例②)

マグネットがつく特殊な塗装やクロスの下地に貼るタイプの物、シート自体がマグネットシートになっているものもあります。

クリスマスやハロウィンなどの飾りつけを貼ることもでき、工夫次第で楽しいお部屋に。

 

マグネット塗装をした柱

事例②:マグネット塗装をした柱

 

さらに、黒板シートというものもあります。こちらはチョークで書いたり消したりができる、まさに黒板。お子さんの落書きボードとして腰壁部分を黒板シートとします。ママがカフェ風に文字を書いてもかわいいですね。また、最近は自由にクロスを貼り替えたいDYI女子も増えてきました。クロス貼り替えОKの壁があるとよいですね、タイルシートなどもホームセンターで購入できます。賃貸でも、できることが増えると暮らしがとても楽しく豊かになりそうです。

 

黒板シートは磁石もOK

参考②:黒板シートは磁石もOK/(株)石山

 

お気に入りポイント③スペースを工夫
共働きだったころは自転車もスポーツタイプだったり、2人で揃えてタウンサイクリングを楽しんだ方たちも多いと思います。

ファミリーになるとすっかり様変わり。ベビーカーが移動の主役に。そこで、自転車置き場は自転車とは別にベビーカー専用のスペースを確保してほしいというのが切実な願いでしょう。しかも荷物のちょっと置き用のベンチがあるとママの負担はとても軽くなります。こんな心使いがあるならずっと住み続けてみたいと思うのではないでしょうか。大きなリフォームをするなら玄関土間を広く設けて、自転車でもベビーカーでも置けるスペースを設けられると良いですね。そこまで大がかりなことはしないなら、玄関ドア横のスペースに荷物をかけられるフックを設けてあげるのもおすすめです。これはカサをかけることもできるので〝便利さ”をどんな世帯にも感じてもらえるでしょう。

 

マルチホルダー 

参考③:マルチホルダー /カワジュン

 

ディンクスからファミリーに変わる時、それは長期に入居してくれるかどうかの大切な分岐点です。大切なことは、入居者の家族構成に合わせた心使いがされているお部屋であるかどうか。心おきなくのびのびと子育てを楽しめる工夫があるお部屋はこれからの子育てファミリーに選ばれること間違いなしです。

 

 

プロフィール:著者 IC21 工藤久美子
インテリアコーディネーター/照明コンサルタント
グラフィックデザイン広告関係の仕事の後、IC資格を取得。新築・リフォーム会社勤務を経て独立。工務店、住宅会社のICと住宅・店舗のリフォームの提案・施工を請け負っています。