IC21のブログ

2019/08/30

「入居者が遊べる工夫」~壁~後編

「OSB合板採用で釘打ち可能」

前回は機能性のある壁紙やウォールステッカーやペイント等を使った入居者様「オンリーワン」な部屋作りのアイディアでした。

次にご紹介するのは、壁自体を工夫し、入居者が自由にカスタマイズできる部屋作りです。
壁にレールと可動棚を取りつけ、好きな所に棚を配置する事で、入居者にとって使い勝手のよい部屋作りができます。賃貸は備え付けの収納があまり取れないのが悩みですが、自由に移動できる棚を取りつける事で、見せる収納としても。(写真3)

 

賃貸でも備え付け可動棚で収納の不安を解消

(写真3:備え付けの可動棚で収納の不安を解消)

 

壁にOSB合板を使用し、穴あけ可能な部屋とするのも良いでしょう。

OSB材は、構造用下地として使用される部材なので耐久性にも富み、ピンや釘などを打ち込む事も可能。切削された長方形の薄い木片で仕上げているので見た目も良く、壁紙で仕上げず合板のままでも十分おしゃれなのでお勧めです。

穴あけ可能な壁があれば、時計やカレンダーなど生活で必要なものも壁に収めてすっきり!

また入居者が自分の自転車を壁に飾り、自転車を眺めながら過ごす部屋作り等、大胆な発想での使用も可能です。(写真4)

自転車好きにはたまらない物件ですね。

 

賃貸でもOSB合板穴あけOKな壁

(写真4:賃貸とは思えない穴あけOKな事例)

 

「DIYが可能な部屋に」

最後は入居者がDIY可能とした事例をご紹介します。

この事例では、もともとは何もないシンプルな部屋に、作業スペースと収納を兼ねた造作を作成。壁もペイントし、殺風景になりがちな仕事部屋を明るく演出。自分好みな造作が作れる物件は、入居者にとってとても魅力的でしょう。(写真5.6)

 

シンプルな間取り壁面収納で使い勝手のよい仕事部屋へ

(写真5:造作前のシンプルな間取り)(写真6:造作後の使い勝手のよい仕事部屋)

 

賃貸は空間が限られ、置き家具を置くとどうしても手狭になりがち。しかし壁に直接取りつけられる造作は、スペースも有効活用できる上に、自分好みにカスタマイズもできます。

最近では量販店などでも、自分で棚や机を作成可能なツールも沢山販売していますし、DIYの本も色々出版されているので、入居者目線な物件といえるでしょう。

また前の入居者が残した造作を、そのまま残すのも1つの方法です。

賃貸は様々な入居者を想定し、できる限りシンプルな間取りを作りがちですが、造作家具のある物件も1つの特徴となります。

使い道の限られた間取りは、選ぶ人が減るかもしれないですが、同じような物件を探している入居者にとってはむしろ魅力的な物件に見えるでしょう。

色々な魅せ方をご紹介しましたが、ちょっとした工夫でも内覧者の心を掴むことは可能です。

ほんの少しの自由を提供する事で、入居者にとってきっと大きな満足が得られるはずです。

 

 

筆者:IC21 湯浅 梨奈
プロフィール
住宅メーカーのインテリアコーディネーターとして、照明からカーテン・家具のコーディネートを手掛けている。