梅雨と共に暮らす ―第五回“やさしい空間”
環境が心に与える影響
ミラノサローネから見える“やさしい空間”
こんにちは、IC21です。
梅雨は、湿度・光量・気圧の変化によって、私たちの心と身体が最も環境の影響を受けやすい季節ですね。
だからこそ、インテリアや空間から受ける刺激は、想像以上に強いものです。
昨日、AD CORE様のミラノサローネ報告会に参加いたしました。
貴重なお話がきけましたので、旬のままblog発信したく思います。
今年のミラノサローネの潮流は、インテリアや空間から受ける刺激は、想像以上に強い その事実を改めて裏付けていました。
ここ数年、コロナ禍、コロナ明け、そして現在、世界に大きな変化が起こりました。
その変化は、働き方にも、暮らし方にも影響を及ぼしました。
そのため、毎年行われる展示会で発表されるインテリアは、世界のデザインが“人の心”にどれほど寄り添っているかを示す表現のひとつになっています。
コロナ禍の2020〜2021年は、
世界が家に閉じ込められた時期でした。
インテリアは明確に“心を守る方向”へ振れ、静けさや丸み、アースカラーが主役になりました。
角をなくし、色を抑え、自然素材に回帰する。
家は避難所であり、安心を取り戻す場所だったのです。
その後、世界が動き出した2022〜2023年には、
一気に開放的になりました。
カラフルな色や柄、大きなテーブルが目立ち、「人と会いたい」というエネルギーが空間に表れました。
しかしながら、少し派手さが戻った一方で、グリーンやアースカラーは静かに継続していたのが印象的でした。
2024〜2025年になると、
派手さの反動で世界は再び“静けさ・自然・余白”へと向かいます。
ジャパンディはトレンドからスタンダードとなり、いまや“静けさと余白”を象徴するアイコンとして定着しつつあります。
そして2026年。
今年のサローネは、全体に“優しさ”が漂っていました。
自然の仕組みを取り入れた、心に寄り添う空間づくりがさらに進んでいます。
世界は今、自然・光・丸み・静けさ・余白という“人間の本能に寄り添うデザイン”へ向かっています。
会場では、グリーンのファブリックが圧倒的に多く、視覚的な回復や自然回帰の象徴として存在感を放っていました。
丸みのあるフォルムも継続しており、コロナ禍から続く“安心の形”が完全に定着したことを感じます。
テーブルはコンクリート素材のような無機質な素材になり、構造体は極力見せず線を消し存在を主張しない家具が増えていました。
特に印象的だったのは、
キッチンのリビング化がさらに加速していたことです。
キッチンが「作業場」から「家の中心」へと変化し、リビングと同じ“やさしさ”が求められるようになっています。
その象徴が、面取りされたキッチン。
角を落としたキッチンは、手間もコストもかかるのに、あえて“丸み”を選ぶという大胆な提案でした。
これは、「機能」ではなく「心地よさ」が最も重要であることを示していると思います。
梅雨は、心が揺れやすい季節です。
だからこそ、今年のサローネが示した“やさしい空間”のヒントは、そのまま梅雨の暮らしに活かすことができそうです。
💛グリーンのファブリックや小物を取り入れて視覚的な回復を促したり、
💛丸いトレイやラグで角を減らして空間の緊張を和らげたり、
💛自然光を入り込むレイアウトにしたり、和紙の照明やガラスを配置して光の質を整えることも効果的です。
💛コンクリート調の小物で空間の温度をフラットに保つ工夫もできますし、
💛キッチンの“見せるものを減らす”だけでも心が整います。
💛家具の面取りはなかなか大変ですが・・・框組のチェストは今の時代にあう小さな建築ですね。
インテリアは飾りではなく、心の状態をつくる“環境そのもの”。
梅雨こそ、その影響が最も表に出る季節です。
ノイズを消して、心に寄り添う優しい空間作りを楽しんでみて下さい。